WINE REVIEW
エヴォディアは買い?1,200円の古樹ガルナッチャ
マルエツで1,200円くらいのスペイン産赤ワイン、エヴォディアを正直レビュー。樹齢40〜100年の古樹のガルナッチャ100%。熟したチェリーの奥に乾いた石と黒胡椒。樽で着飾らない素直な味わいです。焼き芋を1分半でスパイシーな前菜に変えるペアリングも紹介します。
ラベルに「古樹(オールドヴァイン)」と書かれていて、値段が1,200円。
正直に言うと、半信半疑でした。今回はマルエツで買った、スペインの赤エヴォディアです。
エヴォディアの基本情報(価格・どこで買える)
- ワイン名:エヴォディア(EVODIA)
- 造り手:ボデガス・サン・アレハンドロ
- 産地:スペイン
- 品種:ガルナッチャ100%(樹齢40〜100年の古樹)
- アルコール:14%
- 価格:1,200円くらい ※店舗・時期により変動します
- 買えるお店:マルエツ
ネットで買う場合はこちら。店頭とほぼ同じ価格です。
※価格は変動します。ヴィンテージは指定されていない場合があります。
なぜ「古樹で1,200円」を疑ったのか
古樹とは、樹齢を重ねたブドウの樹のことです。一般に樹齢30年以上のものを、そう呼ぶことが多いようです。
古い樹には、こういう特徴があります。
- 実る量が減る … 年を取るほど、つけるブドウの数は少なくなります
- 味が濃くなる … そのぶん、一粒に養分が集まります
つまり**「品質は上がるが、量は採れない」**。だから古樹のワインは、ふつう価格に跳ね返ります。逆に低価格帯のワインには、たくさん実る若い樹が使われるのが一般的です。
それが1,200円。「本当に?」と思ったのは、そういう理由です。
ボトルに貼られた、3つのシール
飲んだあとで気づいたのですが、ボトルの肩に賞のシールが3つ貼られていました。
- MUNDUS VINI(ドイツの国際ワインコンクール/2024)
- Decanter World Wine Awards 95 POINTS(イギリスのワイン誌による評価)
- GOLD MEDAL 2024 / Grenaches du Monde(金賞)
3つ目の「Grenaches du Monde」は、ガルナッチャ(グルナッシュ)だけを対象にした国際コンクールです。同じ品種同士で競った結果の金賞なので、100%ガルナッチャのこのワインにとっては、いちばん意味のある評価だと思います。
こうしたシールは造り手側が貼るものなので、それだけを信じて買う必要はありません。ただ、今回は飲んだあとに気づいたので、「やっぱりそうか」という納得感がありました。
ガルナッチャという品種
主役のブドウはガルナッチャ。フランスではグルナッシュと呼ばれる品種です。
日本では「スペインの赤=テンプラニーリョ」というイメージが強いと思います。当ブログでもクネ クリアンサやLIBYTHEA 有機テンプラニーリョを紹介してきました。
でもスペインには、ガルナッチャの名産地がいくつもあります。熟した果実味とスパイス感が持ち味で、テンプラニーリョとはまた違う魅力があります。
実際に飲んだ感想(味・香り)
注いだ瞬間、熟したチェリーの奥から、乾いた石と黒胡椒の匂いが立ち上ってきて、思わず「おっ!」と声が出ました。
この香りで、疑いはほぼ晴れました。
口に含むと、樽で着飾っていないぶん、ガルナッチャらしい熟したチェリーがはっきり感じられます。果実の味が、そのまま出てくる感じです。
そしてアルコール14%の厚み。軽やかに飲み流すタイプではなく、しっかりとした飲みごたえがあります。
「樽を使っていない」ことの意味
ワインには、木の樽で寝かせるものと、寝かせないものがあります。
樽で寝かせると、バニラや香ばしい木の香りがつきます。高級感は出ますが、そのぶんブドウそのものの味は隠れます。また、樽は高価なので、価格にも跳ね返ります。
このワインは樽の香りがほとんどありません。ブドウの味が素直に出ているタイプです。
古樹のブドウを使いながら、樽にお金をかけない。この割り切りが、1,200円という価格につながっているのだと思います。
おすすめのペアリング:焼き芋とマスカルポーネのスパイシー・パテ
合わせたのは、スーパーの焼き芋。作業時間は約1分半、火は使いません。
材料(1人前)
- 焼き芋(紅はるか、安納芋など/皮を外したもの)約70g
- マスカルポーネチーズ 約20g
- エキストラバージンオリーブオイル 小さじ1(+仕上げ用 小さじ1/2)
- クミンパウダー ひと振り(小さじ1/8弱)
- シナモンパウダー ごく微量(耳かき1杯程度)
- 岩塩 少々
- 粗挽き黒胡椒 少々
- ピンクペッパー 3〜4粒
- トーストしたバゲットスライス、またはクラッカー 3〜4枚
- イタリアンパセリ 1枝(お好みで)
作り方
- 小さなボウルに皮を外した焼き芋を入れ、フォークの背で粗く潰す。マスカルポーネ、オリーブオイル、クミン、シナモン、岩塩を加え、スプーンでペースト状になるまで手早く練り合わせる
- 冷やした小皿かウッドボードに、スプーン2本を使ってクネル状(または丸型)に立体的に盛り付ける。横にトーストしたバゲットを添える
- 表面に仕上げ用のオリーブオイルを少量たらし、粗挽き黒胡椒と軽く潰したピンクペッパーを散らして完成
シナモンは耳かき1杯程度にしてください。入れすぎるとお菓子の味になり、ワインと合わなくなります。
なぜ合うのか? ポイントは3つあります。
- クミンとシナモンが、ワインのスパイス香と直接つながる:ここが今回の核心です。このワインは熟したチェリーの奥に乾いた石と黒胡椒の香りを持っています。そこにクミンのエスニックな香りとシナモンがまっすぐ重なります。仕上げの黒胡椒が、さらに橋を太くしてくれます。
- 焼き芋の甘みを、熟した果実味が受け止める:正直に言うと、焼き芋の甘みは赤ワインと合わせにくい要素です。酸やタンニンが立った赤だと、甘みだけが浮いてしまいます。このワインは果実味が熟していて甘やかなので、押し返さずに受け止めてくれます。
- マスカルポーネのコクに、アルコール14%の厚みが釣り合う:チーズとオリーブオイルのコクは、軽い赤だと押し負けます。このワインの飲みごたえがあってこそ、釣り合いが取れます。
このペアリングは、軽い赤では成立しません。 厚みとスパイス感、その両方があるガルナッチャだからこそ、はまります。
こんな人におすすめ
- スペインの赤=テンプラニーリョだと思っていた人
- 樽の香りより、ブドウそのものの味を楽しみたい人
- スパイスを使った料理をよく食べる人
- 1,000円台で、飲みごたえのある赤を探している人
逆に、軽やかでスイスイ飲める赤を探しているなら、別のタイプが向いています。アルコール14%は、けっして軽くありません。
まとめ
マルエツで1,200円くらい、スペインの古樹ガルナッチャ100%。
熟したチェリーの奥に、乾いた石と黒胡椒。樽で着飾らず、ブドウの味が素直に出ている1本です。
「古樹でこの値段?」という疑いは、注いだ瞬間の香りで晴れました。スペインの赤の、もうひとつの選択肢として覚えておいて損はありません🇪🇸
ラベルの読み方についてはワインのラベルはどこを見る?もあわせてどうぞ。
近くにマルエツがない方は、こちらから。
※価格は変動します。ヴィンテージは指定されていない場合があります。