WINE REVIEW
MEソーヴィニヨン・ブランは買い?ロピア999円の白
ロピアで999円のソーヴィニヨン・ブランを正直レビュー。パッションフルーツとグーズベリー、摘みたてのハーブのような香りに、キリッとした柑橘の酸味。スーパーの刺身とキウイで作る、1分半のNZ風セビチェ・カルパッチョも紹介します。
「酸っぱいものが好き」という人に、まず飲んでほしい白があります。
今回はロピアで999円のME ソーヴィニヨン・ブラン。1,000円を切る値段でありながら、グラスに顔を近づけた瞬間に「あ、これはちゃんとしたソーヴィニヨン・ブランだ」と分かる香りがあります。
しかもこのワイン、999円で買えるのはロピアくらいで、ほかでは2,000円台で売られていることが多い1本です。
ME ソーヴィニヨン・ブランの基本情報(価格・どこで買える)
- ワイン名:ME(ミー)ソーヴィニヨン・ブラン 2025
- 造り手:マタヒウィ・エステート(Matahiwi Estate)
- 産地:ニュージーランド/ワイララパ
- 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
- タイプ:白・辛口
- 価格:999円(ロピア)※店舗・時期により変動します
- 買えるお店:ロピア。ほかの店やネット通販では2,000円台で扱われていることが多い1本です
実際に飲んだ感想(味・香り)
グラスに注ぐと、輝きのある淡いレモンイエロー。縁に若々しいグリーンのニュアンスを残す、クリアな色調です。
グラスに近づけると、パッションフルーツやグーズベリーの香りがはっきりと立ちのぼります。ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランに典型的な香りです。そこにグレープフルーツやライム、レモングラス、そして摘みたてのハーブのような爽やかさが重なります。
口に含むと、酸っぱい柑橘をそのまま食べたときのような、はっきりとした酸味が広がります。クリーンで、心地よい清涼感のある味わい。後味に余計なものが残りません。
999円という価格を考えると、この香りの出方は驚きです。2,000円台のワインとして飲んでも、じゅうぶん納得できる中身だと思います。
「マールボロじゃない」ニュージーランド
ラベルをよく見ると、産地は**ワイララパ(Wairarapa)**と書かれています。
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランといえば、ふつうはマールボロです。南島にあるこの産地が世界的に有名になりすぎて、「ニュージーランドの白=マールボロ」とほぼ同義になっています。実際、当ブログで以前紹介したシレーニ セラー・セレクションもマールボロ産です。
一方のワイララパは、北島の南端にある小さな産地。マールボロと比べると生産量ははるかに少なく、日本の売り場で見かける機会もそう多くありません。
つまりこの1本は、999円でありながら、ちょっと珍しい産地のワインということになります。飲み比べると産地の違いが見えてくるので、マールボロのものを飲んだことがある方は、そこを意識して飲むと面白いはずです。
ソーヴィニヨン・ブランの「青い香り」の正体
このワインの香りを「青い」「草っぽい」と感じた方もいるかもしれません。
この香りの正体は、メトキシピラジンという成分です。ピーマンや青草を思わせるこの香りは、ソーヴィニヨン・ブランという品種の個性そのもの。ブドウが涼しい環境で育つほど、この香りは強く残ります。
香りの仕組みについては、別記事のソーヴィニヨン・ブランの香りはなぜ「青い」? アロマの正体を探るで詳しく書いています。
同じ品種では、ピーツ・ピュア ソーヴィニヨン・ブラン(オーストラリア産)も紹介しています。
おすすめのペアリング:真鯛とグリーンキウイのNZ風セビチェ・カルパッチョ
合わせたのは、スーパーの白身魚のお刺身。そこにグリーンキウイを重ねます。作業時間は約1分半、火を使いません。
「刺身にキウイ?」と思われるかもしれませんが、これがこのワインと驚くほど噛み合います。
材料(1人前)
- 白身魚のお刺身(真鯛、ヒラメなど)約60g/薄切り5〜6枚
- グリーンキウイ 1/4個(皮をむいて2〜3mmの半月切り)
- エキストラバージンオリーブオイル 小さじ1
- ライム果汁(またはレモン果汁)小さじ1/2
- 白ワインビネガー 小さじ1/2
- 岩塩、白胡椒 各ごく少々
- フレッシュディル(またはセルフィーユ)1〜2枝
- ピンクペッパー 3〜4粒
作り方
- あらかじめ冷蔵庫で冷やしておいた平皿に、真鯛の切り身と半月切りにしたグリーンキウイを交互に少しずつ重ねながら、円を描くように並べる
- 小さなカップにオリーブオイル、ライム果汁、白ワインビネガー、岩塩、白胡椒を入れてサッと混ぜ、並べた真鯛とキウイの上から全体に均一に回しかける
- フレッシュディルをふんわりとあしらい、指先で軽くひねり潰したピンクペッパーを散らして完成
お皿を先に冷やしておくと、最後までひんやりした状態でいただけます。
なぜ合うのか? ポイントは3つあります。
- キウイの酸 × グーズベリーの香りが同調する:このワインの主役は、パッションフルーツとグーズベリーの香りです。グリーンキウイが持つ「青みを含んだ果実の酸」は、この香りと真正面から重なります。料理とワインで同じ方向の香りを繰り返すと、ペアリングは一気にまとまります。
- ディルの清涼感が、ハーブ香を立体的にする:仕上げのディルが、ソーヴィニヨン・ブラン特有の「摘みたてハーブ」の香りを引き立てます。香りの層が増えて、一皿の印象が奥行きのあるものになります。
- 真鯛の淡白な旨みを、キリッとした酸が引き締める:白身魚のピュアな旨みに、ライムとワインの酸が重なります。脂の少ない魚だからこそ、酸の高いワインが料理を邪魔せず、後味をすっきり流してくれます。
「魚に白ワイン」は当たり前ですが、そこにフルーツを一種類足すだけで、香りの合い方がまったく変わります。同じ発想は、ホタテやエビにも応用できます。
こんな人におすすめ
- 酸味のはっきりした白が好きな人
- レモンやライムを料理によく使う人
- 刺身やカルパッチョなど、さっぱりした魚料理が食卓に多い人
- 1,000円以下で、産地の個性がちゃんと出ている白を探している人
- ニュージーランドの白を、マールボロ以外でも試してみたい人
- 暑い日に、キンキンに冷やして飲む1杯目を探している人
逆に、「白ワインは樽の効いたまろやかなものが好き」という方には、酸が強く感じられるかもしれません。その場合はシャルドネのほうが好みに合うはずです。
まとめ
999円で、パッションフルーツとハーブの香りがしっかり立つ、キリッとした辛口白。しかも産地は、あまり見かけないワイララパです。
ほかでは2,000円台で売られている1本が、ロピアなら999円。 見かけたら、まとめ買いする価値があります。
酸味がはっきりしているので、好き嫌いは分かれます。でも「酸っぱいのが好き」なら、この価格帯では十分に満足できる1本です。スーパーの刺身にキウイを重ねるだけで、おうちがニュージーランドのワインバーになります。
よく冷やして、暑い日の1杯目にどうぞ🍋