WINE REVIEW
パスクア ソアーヴェは買い?1,200円のイタリア白
東急ストアで1,200円のイタリア・ヴェネト州の白、パスクア ソアーヴェを正直レビュー。ガルガネーガ種特有の心地よいほろ苦さが後味を引き締めます。スーパーのボイルタコを1分半でヴェネツィア風の前菜に変えるペアリングも紹介します。
「すっきりした白」を探すと、選択肢は無数にあります。
今回のパスクア ソアーヴェは、そこにほろ苦さという別の要素を持ち込んでくる白です。東急ストアで1,200円。
ただ、先に正直なところを書いておきます。この1本は「買い」とまでは言えませんでした。理由も含めて、以下で説明します。
パスクア ソアーヴェの基本情報(価格・どこで買える)
- ワイン名:パスクア ソアーヴェ
- 産地:イタリア/ヴェネト州(DOC ソアヴェ)
- 品種:ガルガネーガ、トレッビアーノ
- タイプ:白・辛口
- 価格:1,200円 ※店舗・時期により変動します
- 買えるお店:東急ストア
ネットで買う場合はこちら。店頭とほぼ同じ価格です。
※ネットでもほぼ同じ価格帯です。ヴィンテージは指定されていない場合があります。
「ソアーヴェ」はワイン名ではなく、産地名です
ラベルの「SOAVE(ソアーヴェ)」は、ブドウの品種名でも商品名でもありません。イタリア・ヴェネト州にある産地の名前です。
ヴェネト州は、ヴェネツィアがある州。ソアーヴェはそのヴェネツィアから西へ向かった内陸側にある、白ワインの一大産地です。
つまりこのボトルは、「パスクアという造り手が、ソアーヴェという産地で造った白」ということになります。フランスワインでよくある「産地名で売る」タイプの表示で、イタリアでも上位の格付けほどこの形が増えます。
主役のブドウは、ガルガネーガ
ソアーヴェの主役はガルガネーガという品種です。日本ではあまり名前を聞きませんが、この産地では必ず使われる土着品種で、今回のワインの個性もほぼここから来ています。
もう1つのトレッビアーノは、イタリア全土で広く栽培されている品種です。
実際に飲んだ感想(味・香り)
グラスに注ぐと、輝きと透明感のある淡い麦わら色。縁にわずかにグリーンが残っていて、若々しくフレッシュな状態です。
香りはクリーンで、まっすぐ。青リンゴ、洋ナシ、レモンやグレープフルーツの柑橘。そこにスイカズラを思わせる白い花と、かすかなハーブの香り。奥のほうに、ほんのりアーモンドのニュアンスもあります。
口に含むと瑞々しく軽やか。シャープで爽快な酸味が広がり、クリーンな柑橘の果実味が続きます。
そして特徴的なのが、ガルガネーガ種特有の心地よいほろ苦さ。穏やかなミネラル感とあわせて、後味をすっきりと引き締めてくれます。
ここまでは良い要素ばかりですが、ひとつ引っかかる点があります。味の凝縮感が乏しく、少し水っぽく感じるのです。香りの要素はきちんと揃っているのに、口に含んだときの密度がそれに追いついてきません。
この白の個性は「ほろ苦さ」にあります
「すっきりした白」はいくらでもありますが、ほろ苦さまで持っている白はそう多くありません。
このほろ苦さは欠点ではなく、料理と合わせたときに効いてくる要素です。魚介の内臓のほのかな苦み、焼き目の香ばしさ、菜の花のような苦い野菜。そういうものと合わせたとき、ただ酸っぱいだけの白よりも一段深くはまります。
後述するペアリングでセロリを合わせるのも、この苦みに寄り添わせるためです。
正直な評価:★3(理由は「凝縮感」)
このワインの評価は**★3**にしました。当ブログでは低いほうです。
欠陥があるわけではありません。香りはクリーンで要素も揃っていますし、酸とほろ苦さのバランスも悪くない。造り自体はきちんとしています。
引っかかったのは凝縮感です。味わいの密度が薄く、少し水っぽく感じました。香りで期待した分だけ、口に含んだときに物足りなさが残ります。1,200円という価格を考えると、ここは正直に指摘しておきたい点でした。
ただし、これは料理と合わせると気になりにくくなります。単体でじっくり味わうと薄さが目立ちますが、料理と一緒なら軽やかさとして働きます。後述するペアリングのように、必ず何かつまみながら飲むのが、このワインの正しい付き合い方だと思います。
おすすめのペアリング:真タコとセロリのヴェネツィア風シトラスマリネ
合わせたのは、スーパーのボイルタコ。作業時間は約1分半、火は使いません。
材料(1人前)
- ボイルタコ(スライス)約60g/薄切り5〜6枚
- セロリ 約30g(筋を取り、斜め薄切り)
- エキストラバージンオリーブオイル 小さじ1
- レモン果汁 小さじ1/2
- 白ワインビネガー 小さじ1/2 ※レモン汁で代用可
- 岩塩、白胡椒 各ごく少々
- ディル(またはセルフィーユ、イタリアンパセリ)1〜2枝
作り方
- ボウルに薄切りのボイルタコと、斜め薄切りにしたセロリを入れる。オリーブオイル、レモン果汁、白ワインビネガー、岩塩、白胡椒を加え、スプーンで全体を手早くさっと和える
- あらかじめ冷やしておいた平皿の中央に、タコとセロリが交互に見えるよう、高さを出して立体的に盛り付ける
- ボウルに残ったマリネ液を上から回しかけ、ディルをふんわりと飾って完成
なぜ合うのか? ポイントは3つあります。
- セロリの青い苦み × ガルガネーガのほろ苦さ:ここが今回の核心です。セロリには、青い香りとともにかすかな苦みがあります。それがこのワインの後味にあるほろ苦さと同じ方向を向いていて、料理とワインが1本の線でつながります。
- タコの澄んだ旨みと、セロリの爽快な香り:タコのクセのない海の旨みに、セロリの青く爽やかな香気。この2つが、白い花や柑橘のアロマと素直に響き合います。
- シャープな酸が、オイルを流す:オリーブオイルのコクを、ワインの爽快な酸がすっきり流してくれます。マリネの酸とワインの酸が同じ方向を向いているので、後味が重くなりません。
セロリは省かないでください。 量は30gと少しですが、このペアリングでワインと料理をつなぐ役目を担っているのはセロリです。タコだけでは、ここまできれいにはまりません。
こんな人におすすめ
- すっきり系の白を飲み飽きた人(ほろ苦さという別の軸があります)
- イタリア料理を作る日に、手堅く合う白を1本置いておきたい人
- タコやイカ、白身魚のマリネをよく作る人
- ブドウ品種を覚えたい人(ガルガネーガは名前を知っておくと売り場で役立ちます)
逆に、ワインだけをじっくり味わいたい人には向きません。凝縮感が乏しいぶん、単体で飲むと物足りなさが出ます。料理と合わせてこそ生きるタイプです。
「1,000円台で驚きのある1本」を探している場合も、他をあたったほうがよいと思います。
まとめ
東急ストアで1,200円、イタリア・ヴェネト州のソアーヴェ。
爽快な酸と、ガルガネーガ種特有のほろ苦さ。香りの要素はきちんと揃っています。
ただ、味の凝縮感が乏しく、少し水っぽい。ここが★3にした理由です。単体で飲むと物足りませんが、料理と一緒なら軽やかさとして働きます。
スーパーのボイルタコにセロリとレモンを足すだけで、ヴェネツィアの前菜になります。セロリの苦みがワインとつながるのが、この一皿の肝です🇮🇹
近くに東急ストアがない方は、こちらから。
※ネットでもほぼ同じ価格帯です。ヴィンテージは指定されていない場合があります。