WINE REVIEW
バニー リースリングは買い?1,200円のドイツ中甘口を正直レビュー
ルドルフ・ミュラー バニー リースリング 2024(モーゼル)を正直レビュー。サミットで1,200円、アルコール8.5%の中甘口。青リンゴと白桃の甘みは心地よいものの、支える酸が足りず★3でした。豚しゃぶとすだちポン酢のマリネで化けるペアリングも紹介します。
当ブログ83記事目にして、はじめてのドイツワインです。そして、はじめてのリースリングでもあります。
今回はサミットで1,200円だった、ルドルフ・ミュラー バニー リースリング 2024。モーゼルの白です。
先に結論を書くと、★3でした。ただし理由がはっきりしていて、対処法もあります。
バニー リースリングの基本情報(価格・どこで買える)
- ワイン名:ルドルフ・ミュラー バニー リースリング 2024
- 造り手:ルドルフ・ミュラー
- 産地:ドイツ(モーゼル)
- 品種:リースリング
- タイプ:白・中甘口
- アルコール:8.5%
- 輸入元:マルカイコーポレーション
- 価格:1,200円(店舗・時期により変動)
- 買えるお店:サミット
うす青色のラベルに、白いうさぎが跳ねている絵が描かれています。「バニー」という名前は、このうさぎから来ています。緑のボトルにグレーのスクリューキャップ、売り場でも見つけやすいデザインです。
ここで大事なのは「中甘口」と明記されていることです。 甘いのは仕様であって、欠点ではありません。辛口を期待して買うと違う、という話です。
実際に飲んだ感想(味・香り)
グラスに注ぐと、輝きのある淡いレモンイエロー。回すと、サラリと軽い粘性です。
- 香り:フレッシュな青リンゴ、白桃、ライム。素直でまっすぐ
- 味わい:みずみずしい果実の甘み。8.5%なので刺激がなく、とてもスムーズ
- 余韻:短め。後味に甘さがもったりと残る
香りの立ち上がりは、とても気持ちがいいです。お酒が強くない方でもするすると飲めると思います。
惜しいのは、酸でした
甘みを支えるはずの酸のキレが足りません。
そのぶん味わいが平板で、ジュースのように感じます。後半を引き締めるものがないので、甘さが最後まで口に残ります。余韻も短く、2杯目から少し重たくなりました。
温度が上がるとさらに甘だるさが目立つので、しっかり冷やしたまま飲みきるほうがいいタイプです。
モーゼルらしさは控えめです
モーゼルのリースリングというと、ミネラル感や、味の層の重なりを期待する方が多いと思います。
そこは正直、控えめでした。かわりに、奥のほうにシロップのような甘い香りが単調に残ります。「モーゼル産」という表示に期待しすぎると、肩透かしを食らいます。
★3の理由は、2本続けて「酸」でした
余談ですが、前回のコノスル カルメネールも★3で、理由は同じ「酸が足りない」でした。
安いワインを飲んでいて物足りなく感じるとき、原因はここに集まりやすいのかもしれません。果実味や香りは1,000円台でも十分出ますが、酸の設計はコストがかかるのだと思います。
そして酸の不足は、料理側から補えます。 ここからが本題です。
おすすめのペアリング:豚しゃぶと千切り大根のすだちポン酢マリネ
このワインは、繊細な和食には合いません。 刺身や焼き魚に合わせると、甘さだけが浮きます。
ただし、合わないのは「繊細な」和食です。酸と辛みがはっきりした和なら、話がまったく変わります。
材料(1人前)
- 豚しゃぶ用の薄切り肉……約80g
- 千切り大根のサラダミックス……1パック
- 市販のポン酢……大さじ1
- すだち果汁……小さじ1/2
- 青柚子胡椒……ごく少量(耳かき1杯程度)
- エキストラバージンオリーブオイル……小さじ1/2
- 白いりごま……小さじ1/2
- すだちスライス……2枚
- 粗挽き黒胡椒……少々
作り方
- 豚肉を湯通しして、色が変わったら引き上げる。余分な脂はここで落ちます
- 小さなカップでポン酢、すだち果汁、青柚子胡椒、オリーブオイルを混ぜる。柚子胡椒はしっかり溶かす
- 器にサラダミックスを敷き、豚肉をふんわり高さを出してのせる
- ドレッシングを全体に回しかける
- 白いりごまと粗挽き黒胡椒を散らし、すだちのスライスを2枚のせて完成
青柚子胡椒は耳かき1杯程度で十分です。 入れすぎると料理だけが勝ってしまい、ワインの居場所がなくなります。
なぜこの組み合わせが合うのか
1. 足りない酸を、料理が持ち込む
このワインに足りなかったのは酸でした。そこにポン酢とすだちが入ります。
ワインが自分で持てなかったキレを、料理側から持ち込む。 口の中で合わさったときに、はじめて甘さが引き締まります。
面白いのはその先です。ワインの甘みとポン酢の酸が口の中で混ざると、すだちポン酢に青リンゴをすりおろして加えた和風ドレッシングのような味になります。ワインが飲みものではなく、調味料の側に回る感覚です。
この考え方はワインと料理、何を合わせればいい?で書いた3原則の応用にあたります。
2. 甘みと辛みは、もともと相性がいい
青柚子胡椒の辛みも効いています。
甘みのある白ワインと、ぴりっとした辛みは、昔から相性のいい組み合わせです。 甘さが辛さの角をやわらげ、辛さが甘さを締める。お互いに仕事をします。
軽いボディにエッジが立って、後味が驚くほどすっきりします。
3. 湯通しした豚肉のうまみ
豚肉は湯通しで余分な脂が落ちているので、残るのは肉のうまみだけです。そのうまみを、ワインの甘みが下から持ち上げます。
甘口の白が肉料理に合わないと思われがちですが、それは脂が多い場合の話です。
4. 8.5%という軽さが、ちょうどいい
冷たいサラダ仕立ての一皿に、重い白は要りません。アルコール8.5%の軽さは、この皿のサイズ感にぴったり合っています。
こんな人におすすめ
- お酒が強くない人(8.5%はかなり軽いです)
- 甘口の白が好きな人
- 甘口ワインを買ったものの、持て余している人
- ポン酢や柚子胡椒を使った料理と合わせてみたい人
逆に、辛口のリースリングを期待している方には向きません。 ラベルの「中甘口」を確認してから買ってください。
まとめ
ルドルフ・ミュラー バニー リースリングは、サミットで1,200円のドイツの中甘口。青リンゴと白桃の香りは素直で、8.5%という軽さも心地よいものの、支える酸が足りず、単体では★3でした。
ただし、すだちポン酢と青柚子胡椒を効かせた一皿と合わせた瞬間に、このワインは化けます。
足りないものは、料理で補えます。甘口の白を持て余している方は、ぜひ試してみてください。