WINE REVIEW
ワインの香り、なんて言えばいい?果物の色で覚える香りの言葉
ワインの香りが言葉にできないのは、感覚が鈍いからではなく、当てはめる言葉を知らないだけです。白は果物の色、赤は実の色で覚える香りの言葉を、当ブログで実際に飲んだワインの例と、保存版の早見表つきで解説します。
グラスに鼻を近づけると、なんとなくいい香りがする。
でも「何の香り?」と聞かれると、言葉が出てこない。
ワインを飲み始めたばかりの頃は、誰でもそうです。そしてそれは、感覚が鈍いからではありません。当てはめる言葉を知らないだけです。
この記事では、ワインの香りを言葉にするための、いちばん簡単な覚え方を紹介します。
言葉を知ると、香りに気づけるようになる
少し不思議な話ですが、人は名前を知っている香りのほうが、気づきやすいものです。
たとえば「青リンゴの香り」という言葉を知っていれば、グラスの中にその香りを探しにいけます。言葉を知らないと、同じ香りが鼻に届いていても、「なんとなくいい香り」で終わってしまいます。
だから最初にやるべきことは、香りの言葉を少しずつ手元に増やすことです。
まずは果物の名前でたとえる
難しい専門用語は要りません。ワインの香りを表す言葉は、ほとんどが果物の名前です。
そして果物には、覚えやすい法則があります。
白ワインは、果物の色で見る

| 果物の色 | 香りの言葉 | ワインのタイプ |
|---|---|---|
| 青い果物 | 青リンゴ、ライム、レモン | すっきりフレッシュな白 |
| 黄色い果物 | 洋梨、白桃、パイナップル | まろやかでリッチな白 |
| 甘い香り | はちみつ、白い花 | 甘口や、熟成した白 |
果物の色が濃くなるほど、ワインもリッチになっていきます。
理由はぶどうの熟し方です。涼しい産地で、すっきり育ったぶどうからは、まだ青い果物のような香りが出ます。日差しをたっぷり浴びてよく熟したぶどうからは、黄色く熟した果物のような香りが出ます。
当ブログで飲んだワインでも、この法則はきれいに当てはまりました。
- カザル・ダ・セアラ(ポルトガル):ライムの皮と青リンゴ。アルコール10%の軽い白でした
- コノスル シャルドネ(チリ):完熟パイナップルと黄桃。コクのある、まろやかな白でした
赤ワインは、赤い実か黒い実か

| 実の色 | 香りの言葉 | ワインのタイプ |
|---|---|---|
| 赤い果物 | いちご、ラズベリー、チェリー | 軽やかでエレガントな赤 |
| 黒い果物 | カシス、ブラックベリー、プラム | 濃くてパワフルな赤 |
| 干した果物 | レーズン、干しプラム | よく熟した、濃厚な赤 |
赤ワインも同じです。実の色が黒くなるほど、ワインも濃くなっていきます。
- コノスル ピノ・ノワール:いちごとチェリー。渋みがほとんどない、軽やかな赤でした。当ブログで唯一★5をつけたワインです
- コノスル カルメネール:カシスとブラックチェリー。黒みを帯びた濃いガーネット色の赤でした
同じコノスルのビシクレタでも、香りの果物の色が、そのままワインの濃さの違いになっています。
果物以外の香りもある

果物の言葉に慣れてきたら、次は果物以外の香りを探してみてください。大きく2つあります。
ぶどうの品種が持つ香り:ハーブ、ピーマン、黒胡椒
品種によっては、果物とは別の、はっきりした個性の香りを持っています。
- ハーブや青草:ソーヴィニヨン・ブランの代表的な香りです。なぜ白ワインから草の香りがするのかは、ソーヴィニヨン・ブランの香りはなぜ「青い」?で書きました
- ピーマン、黒胡椒:カルメネールからは、ローストパプリカや生ピーマン、黒胡椒の香りがしました
樽で寝かせると生まれる香り:バニラ、トースト、ナッツ
ワインを木の樽で寝かせると、樽の香りがワインに移ります。
ジェイコブス・クリーク シャルドネには、熟した桃やメロンの奥に、オーク樽由来の香ばしいバニラの香りがありました。
バニラやトーストの香りがしたら、樽を使ったワインだと考えて、まず間違いありません。
保存版・香りの言葉の早見表
| ワインのタイプ | 香りの言葉 |
|---|---|
| 白・フレッシュ | 青リンゴ、ライム、ハーブ |
| 白・リッチ | 洋梨、白桃、バター |
| 甘口の白 | はちみつ、白い花、桃 |
| 赤・エレガント | いちご、ラズベリー、チェリー |
| 赤・パワフル | カシス、プラム、黒胡椒 |
| 樽を使ったもの | バニラ、トースト、ナッツ |
香りを感じ取るコツ
言葉を手元に置いたら、あとは実際に嗅いでみるだけです。少しだけコツがあります。
- グラスに注ぐ量は少なめに。グラスの3分の1くらいまでにすると、上に香りがたまります
- 最初は回さずに嗅ぐ。いちばん軽い香りが分かります
- 次にグラスを回してから嗅ぐ。空気に触れて、奥の香りが開いてきます
- 果物の名前を1つ言ってみる。外れてもかまいません
グラスの形と香りの関係は、グラスの形で味が変わるって本当?にまとめています。
答え合わせで使ってみてください
当アカウントのInstagramでは、答え合わせ形式でワインを出題しています。飲む前に答えを見ず、「何の香りがしたか」を3つ選んでもらい、後日このアカウントの答えを出す形です。
この記事の早見表を手元に置いておけば、選択肢を見たときに迷いにくくなります。
迷ったら、果物の名前を1つ言えれば十分です。 それだけで、香りの答え合わせは始められます。
まとめ
- 香りが言葉にできないのは、当てはめる言葉を知らないだけ
- まずは果物の名前でたとえる
- 白は果物の色:青いほどフレッシュ、黄色いほどリッチ
- 赤は実の色:赤い実ほどエレガント、黒い実ほどパワフル
- 慣れたら、ハーブや黒胡椒(品種の香り)、**バニラやトースト(樽の香り)**も探してみる
言葉がひとつ増えるたびに、同じワインから感じ取れることが増えていきます。ワインがどんどん楽しくなるのは、ここからです。